音が聞こえてきそうな描写

 
音楽に絡んだ小説は色々あるけれど
これほど濃密に深く音楽に絡んでいる小説も珍しい
 
『ブルース』 花村萬月
 
花村萬月は1998年に「ゲルマニウムの夜」で芥川賞を受賞
彼の描く小説は、衝撃的な内容のものが多い
「ゲルマニウムの夜」も衝撃的な内容だった
 
酒、暴力、性、オートバイ、音楽などがハードボイルドに描かれる
登場人物も、一筋縄ではいかないひとが多く登場する
 
この「ブルース」もそのひとつで、まず舞台が横浜・寿町だ
すたれたギター弾きの主人公に、一筋縄ではいかないひとたちが絡んでいく
特にこの作品では、ギターの演奏シーンなどが濃密に描かれ
まるで音が聞こえてきそうな描写になっている
 
長編小説ではあるが、長さはさほど感じることなく読めてしまう
そこが、花村萬月の筆力ってところなのだろうなあ、などと生意気なことを思ったりする
生々しくも切ない愛がスピード感たっぷりに描かれていく(ねじれた愛も含めて)
 
ブルースという音楽はハッピーな場所から生まれた音楽ではない
この小説はタイトル通り「ブルース」の匂いが、そこかしこに散らばっている
読めば読むほど、その深みにはまっていく小説だ(ある意味、危険だなあ)
 
読んだ後に無性にブルースが聴きたくなる、そんな作品です
 
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